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3つのCが交差する地点での活動が、ブランドを勝利に導く

2022年2月1日の「dentsu-e4m advertising report」の発表に続き、アイプロスペクトのGlobal PresidentであるAmanda Morrisseyはコンバージェンスに関するグローバルな視点について語りました。同氏はスピーチの冒頭でメディアコンバージェンスは実はコロナ禍に起きたと述べました。「私たちはメディアコンバージェンスについて長々と議論してきましたが、メディアは過去何年間もテクノロジー領域ではなく、消費者の生活に焦点をあてていました。実際のコンバージェンスは根本的な変化が起きたパンデミック時に起こりました。」

 

メディアの専門家は消費者の行動変容に原因があると言いますが、Morrisseyは違う理由を挙げています。「消費行動はコロナ禍以前にも変化していた為、本当の原因は消費者意識の変化ではないかと思います。消費者の問題意識や世界観が根本的な変化を遂げました。そして今後も消費者の決断に引き続き影響を与えるはずです。」

 

同氏は、「消費者はブランドとの新しい接し方やエンターテインメントを経験し、メディアがどう機能し、届けられるかを徐々に学んでいます。そこで基礎の境界線が曖昧になっているのです。」と続けています。

 

また、「オフラインとオンラインの経験は密接に絡み合っているため、最早別々に考える事は出来ません。」とし、デジタルとバーチャルの境界が曖昧になり時には現実と入れ替わる事が増え、この変化のスピードが弱まる気配は無いと付け加えました。

 

Morrisseyはコンバージェンスにおける3C (カルチャー、コンテンツ、コマース)について以下のように語っています。「広告業界の成功の秘訣はデータに支えられたカルチャー、コンテンツ、コマースが交差するところにあります。ブランドは、この3つが交差する地点で、現在の活動と同時に今後さらなる改善を目指して注力すれば、このコンバージエンスの世界で勝ち抜いていけるでしょう。」そしてまた、「私たちは今日と、明日についても考えるべきです。基礎の変更は今や世界各地で見られる現象です。」とも付け加えました。

 

在住するイギリスでの例として同氏は、コロナ禍、店舗は22%の売上減を記録したものの、置き配指定サービスの利用率は120%増となり、置き配の爆発的成長はd2cブランドにとって大きなチャンスとなったと述べました。また、アメリカではEコマース業界のさまざまなカテゴリーで最大18-45%の成長が見込まれているとのことです。コロナ禍以前は、イギリスでは商品の22%、アメリカでは18%をオンラインで購入していたのに対し、中国ではすでに40%をオンライン購入が占めていたと指摘しています。「中国の消費者動向が他国と異なるのはテクノロジーの進化とは関係なく、変化を受け入れる柔軟性とネット通販に対しての積極性が理由です。中国のEC市場は消費者のニーズに適応したテクノロジーを導入したのみです。」

 

さらに同氏は、BalenciagaのCEO、Cedric Charbit氏による以下の発言、『変化が起こってから新技術を導入するのでは手遅れ、我々は変化を予測する組織構成を意識しなければなりません。』と引用し、「マーケターは消費者ニーズに対応するのではなく先回りして対応する必要がある」と説明しました。

 

また、今後起こりうる変化の枠組みについても以下のように語っています。「すべての商品が「ショッパブル」になり、ビデオやテキストなど、あらゆる形式のマーケティング・コミュニケーションが可能となり、ショッピングやコンタクトレス決済ができるようになるでしょう。」

 

「今の時代、消費者の期待値はとても高まっています。消費者の要求は以前より増加しました。そこで重要となるのはブランドがいかに消費者の期待に応える準備をしているかです。マーケターはブランド構築以外にもシームレスなカスタマーエクスペリエンスやインタラクションポイントを消費者に提供する必要があります。すべてのメディアをパフォーマンスメディアとして認識するべきでしょう。当社は顧客接点を測定出来るよう、さまざまなツールをブランドに提供しています。」

 

続いて、MorrisseyはメタバースやNFTについての意見も述べています。「バーチャルの進化により現実との境界線が曖昧になってきましたが、ブランドはこれらのテクノロジーを活用するべきです。私たちは現実の世界、デジタル空間、仮想空間が交差する地点で活動するブランドが、お客様に幅広い没入体験を提供できるエコシステムを計画しています。更にハプティクス (触覚技術) をどう仮想世界に組み込み、ユーザーが物を触り、感触を得て現実の世界と繋がれる経験が出来るかも研究中です。また、クライアントのNFTのデザインも行っています。」

 

同氏は、デジタル競争の最前線に立ちたいブランドのためにアイプロスペクトがいかにして仮想世界と現実の融合を行っているのかを観客に説明しました。「消費者は決断を下す時は直感に頼るため、製品に関するすべての主張を立証し持続可能な戦略を講じる必要性があります。一般生活者は健康やウェルネスをとても気にかけていることから、セルフケアブランドはお客様の生活に影響を与え、健康管理に役立ちつつより良い決断に導く商品の製造が期待されています。未来を予測できると会社のブランド力が高まるのです。」

 

「決断を下す過程で一番重要なのは倫理です。ブランドは環境への影響やビジネスの倫理的成長を考慮しなければなりません。ブランドの仕組みが透明化され、今やサプライチェーンまで消費者に知れているためです。」とも述べています。

 

 

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