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世界の広告費成長率予測 (2021〜2024)

Dentsuの最新レポート「世界の広告費成長率予測」によると、22年グローバル広告投資は9.2%成長、実質GDP成長率[1]を4.7%上回ると予測しています。 Dentsuは半年ごとに50か国以上のグローバル市場でデータを収集しており、現在のデータは全世界広告費7,450億ドルを予想しています。

 

ポストコロナ時代の広告支出は、2008年の金融危機以降の回復期に比べて、3倍に増加すると予想されます。2022年グローバル広告支出は9.2%増加すると見込まれ、この数値は2011年の3.4%増加率のほぼ3倍です。また、2022年のグローバル広告市場は新型コロナのパンデミック以前の2019年に比べても18.7%の成長が期待されます。2008年の金融危機以降、回復期が始まった2011年のグローバル広告市場における成長率の1.0%減とは対照的です。

 

デジタル投資が2021年に29.1%増加したのに続き、2022年には14.8%増加すると予測しています。これによりデジタル支出の割合は、全体支出の55.5%(469.8億ドル)となります。デジタル支出の割合が初めてリニアTVの支出シェア (26.9%)の2倍になるということです。

 

ソーシャルメディア・プラットフォームは今年もショート動画やショッパブル広告のような商業インフラの向上、効率的な決済システムによって引き続き成長すると予想されます。 広告主は、消費者の新しい消費習慣に対応するため、小売業者のウェブサイトでのディスプレイ広告と検索連動型広告の予算を増やし、eコマースへの注力とリソースを拡大しています。 2022年の検索支出は16.9%増の1,449億ドルになり、ソーシャル支出は21.4%増加する見通しです。

 

2022年はパンデミックによる経済不安が続きインフレが予想されるため、メディア価格が圧迫されると考えられます。 FIFAワールドカップが初めてブラックフライデーやクリスマスとぶつかる年となるため、広告費のボトルネックとなり、メディア価格がさらに高騰する可能性が高いでしょう。そのため、ターゲットを明確にした長期的なメディアプランニングと、潜在的なフロントウェイト投資が強く推奨されます。

 

また、ゲームと仮想世界に関する重要性の高まりは、インターネットの次なる進化であるメタバースの到来を予感させます。まだメタバースは完全に存在していませんが、フィジカル、デジタル、仮想現実をミックスしたハイブリッドな共有空間からなるオープンなエコシステムは、広告主がブランドエクスペリエンスを再構成するにあたり非常に大きな機会を生み出すと予想されます[2]。メタバースは2022年、ブランドが実験を通じて革新を起こす分野と見られ、メタバース世界では広告への依存度が低くなる可能性があることから、ブランドは消費者と交流する新しい方法を工夫するとともに、新しい広告パラダイムを模索する必要があります。

 

以下に、本レポートで取り上げている、2022年メディア戦略を策定する際に役立つブランド考察3つのポイントをご紹介いたします。

 

財源に合わせたメディア戦略の調整

 

2022年にもメディアの予算不足が続き、ブランドは与えられたメディア予算を最大限に活用できる戦略が必要です。 認知度向上やプレセールのエンゲージメントのためのアッパーファネルの広告はサプライチェーンに影響されにくい長期的な手段です。しかし、コンバージョンに最適化されたダイレクトレスポンス重視のデジタルメディア・プログラムは、入手できない在庫の販売が困難であるため、この意味合いはさらに強調されます。ブランドは、構造化されたデータ、フィードやオートメーションを導入して、商品の在庫状況について利用者により良く伝える必要があるでしょう。

 

 

小売メディアを通じたeコマースの活性化

 

消費者が独自の購買経路をつねに開拓している一方、メディアはよりパーソナルかつ、コンテクスチュアルで価値あるショッピング体験をもたらし、消費者とブランドをつなげる大事な役割を果たします。 小売業者、マーケットプレイス、ソーシャルプラットフォーム、食料品サービス、スーパーアプリなどはすべて、コマース優先の独自ソリューションで、メディアポートフォリオの開発に積極的に取り組んでいます。 広告主は、成長中のこのメディアセグメントをメディアミックスに取り入れるとよいでしょう。また、メディアキャンペーンを直接購入につなげるべく、ライブコマースの機会を活用し、また拡張現実(例: 仮想製品の試用)などのテクノロジーの活用を模索するなど、カスタマージャーニー全体における発見と購入のギャップを縮めるよう努力する必要もあります。

 

 

成長の停滞を回避するブランディングへの投資

 

スタートアップ企業はパフォーマンスベースのメディア活動に集中する傾向がありますが、不確実な時代には親密性が重要であり、長期的な成功のためにはカギとなる要素となります。そのため、広告主は店舗、製品、メディアキャンペーンを横断したストーリーテリングを通じて、消費者との情緒的つながりを持続的に形成する必要があります。パフォーマンスマーケティング戦略は、ブランド構築の取り組みに接した顧客に対応するための補完的な要素として使用できます。ブランドとパフォーマンスのバランスを取ることにより、継続的な成長を可能とし、パフォーマンスベースの戦術だけで強行するよりも、獲得費用を抑えることができるでしょう。 

 

もちろん、予測はすべてパンデミックの感染状況、新型コロナウイルスの新しい変異株や政府の関連規制により左右されます。キャンペーンやビジネスの成長への影響を先んじて捉えるべくiProspectではクライアントと共同でこのような取り組みを行っており、私たちは業界全体が主要な経済指数を注視していくよう推奨しています。

世界の広告費成長率予測本編 (英語) をダウンロードする 

 

 


[1] OECD, OECD Economic Outlook, Volume 2021 Issue 2: Preliminary version, Table 1.1 - December 2021 - link

[2] Dentsu, The irresistible ascent of gaming in 2021, December 2021 - link